アニメ版「鬼平」がすこぶる面白い件【もっと評価されるべき】

文/堀口茉純(お江戸ル/歴史作家)

私は池波正太郎作品のファンだ。特に好きなのは『鬼兵犯科帳』。この作品は歴史小説ではなく時代小説であることがミソ。前者が史実にほぼ忠実であることを大前提とするのに対し、後者は歴史上に実在する人物や事件を扱いながらも基本的には作者の創作した世界感を重視するという棲み分けがある。

『鬼平犯科帳』の場合、主人公の長谷川平蔵は実在する火付盗賊改め役だが、その人物像や暮らしぶりなどは池波先生の大胆な創作によるところが大きい。鬼平の手足となって働く密偵の存在などがその例だ。

これは池波先生が“歴史”を描くことではなく、鬼平という人物を軸に登場人物達が織りなす“義理”や“人情”といった人間模様を魅せる事を第一の目的にしていた為なのであろう。『鬼平犯科帳』はいい意味で史実にとらわれすぎないエンターテイメントだ。だからこそ時代小説の金字塔として色あせること無く今も我々を魅了し続けるのだと思う。

さて、昨年12月の放送をもって終了した中村吉右衛門丈主演のテレビ時代劇『鬼平犯科帳』は、池波先生の意図を忠実に汲み取り具現化したという意味で映像化の一つの到達点だったと思う。私も放送終了による喪失感は計り知れず、鬼平ロスを経験した。

そんな中、この1月から始まったのが、アニメ「鬼平」だ。吉右衛門丈の鬼平を見慣れた諸兄の中には、アニメ版のスタイリッシュすぎるキャラクターデザインを見て「え!? これが鬼平!?」と戸惑われる方も多いかもしれない。だが、だまされたと思って是非アニメ版を見てほしい。先に描いた池波先生の意図をしっかり汲み取り、“義理”“人情”を軸にした新たなエンターテイメント作品になっている。

また、私が特に秀逸に感じたのは疾走感だ。30分枠のアニメ本編の放映時間は実質20分強。この中に原作の1話分を納めるのは至難の業である。当然めまぐるしいテンポで話が展開してゆくのだが、これを上手くまとめているのがジャズなのだ。

本作では劇中BGMからエンディング曲まで一貫してジャズが基調となっており、殺陣シーンなどの高揚感に絶妙にマッチし、刀を振るう鬼平の色気はアニメでしか表現できないモノになっている。これには私の様な『鬼平犯科帳』の熱狂的ファンは勿論、初めて見る若い世代も純粋に「カッコいい!」と感じるはず。

『鬼平犯科帳』誕生して50周年の節目の年に始まった新たな挑戦。応援せずにはいられない。

【TVアニメ『鬼平』】
テレビ東京ほか 毎週月曜・深夜2時5分から
時代劇専門チャンネル 毎週日曜・夜11時30分から
※公式サイト: http://onihei-anime.com/

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170130-00010003-seraijp-cul

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http://onihei-anime.com/

2 名無しさん 2017/01/31(火) 07:08:22.34 ID:1dqzXx7M.net
これほんと面白いけど話題にならんよな

4 名無しさん 2017/01/31(火) 07:10:46.22 ID:npWOk7nc.net
へうげものみたいな感じなの?

74 名無しさん 2017/01/31(火) 12:27:53.16 ID:DHXy8Ocn.net
>>4
へうげものみたいな面白さは感じないな、アニメとして目新しいってだけで
昔の時代劇って勧善懲悪だから話に深みもないし、昔の仮面ライダーとかと変わんないよね

117 名無しさん 2017/02/01(水) 03:07:25.26 ID:27nZXukV.net
>>4
織部もの知らない奴が結構いて、損してるなあと思う反面ちゃんと観ていて得した気分になり候

5 名無しさん 2017/01/31(火) 07:11:12.29 ID:/Oj9bdJW.net
30分で上手にまとめているというのは同意
今のところマンガで読んで覚えているいいエピソードが続いているので
見続けている

7 名無しさん 2017/01/31(火) 07:12:16.97 ID:WEjOnBdq.net
>これを上手くまとめているのがジャズなのだ。

へえちょっと興味湧いた
機会があれば見てみよう
コメント 2 | web拍手
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